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イメージと道理-牛乳の話-

イメージと道理-牛乳の話-
2015年03月03日

世の中には「良さそう」なイメージのものが多くあります。
製品でしたら、売るためですから良さそうなイメージが必要ですよね。
しかし「道理に合わない」ものも多数あり、そこは消費者自身で調べ、考える必要があります。

私の業界ですと、「バキバキするカイロプラクティック」や「すごく強く揉むマッサージ」などがそれに当たるでしょうか。
あんず整体院でそうしたものを行わない理由について、当院に初めて来た患者さんにはまず説明しますし、またサイト内の「からだのこと」の記事内でも部分的に触れてはいますが、この記事では割愛します。

今回の記事の内容は、施術の種類よりももっと皆さんに身近な、「牛乳」についての話です。

牛乳は体に悪い?

皆さん、コーヒーや紅茶はお好きですか?
私は紅茶も嫌いではありませんが、コーヒー党です。
ブラックも美味しくいただけますが、カフェオレが大好きです。

以前都内に住んで通勤していた頃は、喫茶店でカフェオレを飲む機会が多くあったのですが、
塚田に引っ越し、通勤がなくなった現在では、かなりその機会が減りました。
が、代わりに牛乳+インスタントコーヒーに目覚め、一時期常飲しておりました。

が、最近牛乳を豆乳に変更し、ソイラテ(もどき)として飲むように変えました。
というのも、牛乳はあまり体によくないことを知っていながら飲んでいたので、気にしていたんですよね。

最近でこそ牛乳は体に悪い、という意見が目につくようになってきましたが、依然として
「カルシウム補給のために牛乳」といった風潮が強いようです。

ですので今回は牛乳の話です。
なぜ牛乳がお勧めできないか、の理由について。

すごく簡単に説明すると、「牛乳は牛のためのものであって、人のためのものではない」ということです。
乳糖不耐症という言葉も、最近ちょこちょこ聞くようになってきましたね。
下にもう少し詳しく説明しましょう。

1 カゼインが多く含まれている
2 カルシウムが「ありすぎ」る

主にこの2点が挙げられます。

カゼインというのは、温めた牛乳にできる膜ですね。これはたんぱく質です。
このカゼイン、人間にとっては非常に消化しづらい物質であり、消化をするためにはかなりのエネルギーが必要と言われています。
消化しづらい=腸内に長時間とどまる=腸内で腐敗します。
また、アレルギーの原因ともされています。(人間の母乳や、アレルギー反応が少ないとされる山羊乳はカゼインが少ないのです)

そしてカルシウム。
「牛乳が体に良い」というイメージは、まさに牛乳が含むカルシウム量から言われていますが、ではなぜそれが「良くない」ことになるのでしょうか?

人の体はよくできていて、例えば食事によって血糖値が上がったら、それを下げる指令を体から出して、一定に保ちます。
これを恒常性(ホメオスタシス)と呼びます。
カルシウムにも同様の原理があります。
※余談ですが、血糖値の急上昇↑急下降↓が続くと、調整機能がだんだん利かなくなってきまして、これが糖尿病です。ある時を境に急に「糖尿病」という病気になるわけではありませんので、日ごろからの節制が必要になります。
さて、カルシウムに話を戻します。
文章だけだとわかりづらいので、イラストで説明をしていきます。
下のイラストは、体の血管・骨・その他の細胞のイメージです。
mi1

牛乳を飲みます。
牛乳は分子量が低く、カルシウムが豊富なので、すぐに血中カルシウムの形になります。
mi2

体は、「血液中にカルシウム多いから、よその細胞に一時避難させよう!」という反応をします。
あまりに急にカルシウムが増えたため、よそへの移動も大急ぎです。
この時点では、カルシウムはまだ体に定着していません。
mi3

血中カルシウムが減りました。
急激に減らしたので、勢い余って減らしすぎてしまいました。
血中カルシウムが減ると、体は「カルシウム減ったから補充しなきゃ!」と思います。
血液中にカルシウムを補充するルートは骨からのみです。一時避難分はまだ使えません。
そうして骨からカルシウムが出ていきます。
細胞一時避難のカルシウムは、これからゆっくり時間をかけて骨になっていきます。
mi4

ここで気を付けたいのが、イラストの黄色カルシウムと青カルシウムは同じものではないこと。
一時避難のカルシウムの量は、骨から使われる量よりも少なく、
プラスマイナスで見ると、身につくカルシウムよりも出ていくカルシウムの方が多いのですね。

さて、ここまで読んでいただいて、さらに「牛乳が体にいい理由」が言えますか?

カルシウムを体に貯金するためには、地道な吸収をさせる必要があります。
牛乳だと吸収が急激すぎて、却ってよくないのですね。
ヨーグルトやチーズなどの乳製品は、カゼインの量が若干牛乳に比べると少ないだけであって、基本は同様です。
カルシウム摂取には、小魚や野菜などをお勧めします。こちらは地道な貯金ができます。

次回はソイラテの話から、豆乳と甘味料についてお話したいと思います。

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