先日、人工冬眠の研究に関する本を読みました。
ハーバード大学の医学博士である日本人の先生が書いた本(”「人工冬眠」への挑戦”市瀬史)で、本自体は出版されたのが7年ほど前のものですが、当時の最新の技術をもって、どこまで人工冬眠が可能かを説明したものです。
医学博士が書いたものだけあって、これができればこういう医療に応用できるとか、今はここまでしかわかってないけれどもいつかはこの病気の治療の役に立つだろうとか、そういったとても現実的かつ、希望に溢れた内容のもので、人工冬眠というものにSF映画でのイメージしかなかった私にはとても新鮮な内容でした。
一般には人工冬眠というと不老不死とか、そういうキーワードがつながってきやすいと思うのですが、アンチエイジングという単語を本書で見て、なるほどと感心したり。
詳しい内容はかなり専門的になるので割愛しますが、それを読んで面白かった&意外だった内容などを紹介してみようと思います。
1 リスは冬眠中、睡眠不足になるので、睡眠のために途中で冬眠から目覚める
2 人間はしばらく寝たきりだと筋肉が失われるが、クマは筋肉を自分で作り出す仕組みを持っているため、ほぼ筋肉が減らない
3 池や氷の中などで冬を越す生物は、体の中で不凍液を作ることができる(ので細胞が凍らない)
4 ヒトも昔は冬眠に近い生活をしていたかも知れない?
1については、脳波測定から判明したこととのことですが、睡眠って哺乳類の脳には必要不可欠らしいです。
睡眠に関してもこの本には色々と記述があったのですが、徹夜明けで運転するのは、飲酒状態で運転するのと同じくらいに危険だそうです。
2については、これは人間から見るとすごい能力であり、また羨ましいですね! 3も、生き物が不凍液を作るってすごいことだなあと思います。野菜でもお肉でも、冷凍庫に入れたら基本なんでも凍りますものね。
4については、昔の北欧や中央アジアの生活習慣からの話でした。冬は基本的に1日を寝て過ごすので、冬眠とは言えないけれどもかなりそれに近いのではないか、今は食べ物が1年中あるからその習慣はなくなったと思われるが、という話でした。
なんとなく手に取ってみた本でしたが、こうした研究や考察の末に現代医学の発展と進歩があるのだなと実感でき、面白く読めました。
この本から7年、技術はどれだけ進んだのでしょうか。
ちなみに、先日初めて船橋の中央図書館に行ったのですが、これはそこで借りてきたものでした。
中央図書館、行きやすい場所でいいですね。
そのうちもう少し足を延ばして、ららぽーとや大神宮などまで散歩してみたいです。